私たち夫婦の毎朝の習慣。儀式。
出勤前に10分。2人ソファに並んで瞑想。
その終わりには、私たちが我が家の「神棚」と呼ぶ、家族写真や思い出の詰まった品を並べた棚の一角の前に立ち、手を合わせる。
その時々で様々な願いや、お礼を想いながら。
大人2人の時は、お互いの仕事の成功や目標の達成。
子供を授かった時は、小さな命への喜びと感謝。
そして今は、家族の絆と子供の健やかな成長
。。と言いたいところだけれど。
子供が生まれてからというもの、夫婦2人揃って瞑想なんて、しかも朝に?「え?冗談でしょ?」という世界へ行ってしまった。かるーくひとっ飛び(笑)
子供が目を覚ましたらもう、分刻みでスケジュールが始まる。ママとパパで役割分担・別行動。次から次へとto do list のノルマが頭の中をよぎる。
お昼寝が長くなる月齢になって、ようやく日中一息つけるようになってからは、そんな隙間時間にひとり瞑想を再開。
でも夫婦揃って、朝日に向かって、なんて。No Way!
かつてそんな事をしていたという事実さえ、つい最近何気ない会話の中で思い出すまで、忘れていたほど・・。
子供がいたら、子供中心に日常が動いていく。
当たり前のこと。
そうでなかった時と比べたり、同じことを同じようにしようとするのは、非現実的。
Changing a perspective
夫の朝のルーティーンのひとつが
「コーヒーを入れる」こと。
もちろん私がそのコーヒーを飲むのは、すでに夫が出勤し、
家事や育児のノルマをひと通りこなし、さぁ!これから子供を外に連れ出すぞ!と気合いを入れ直す頃。当然とっくに冷めたコーヒーを、まるでエナジードリンクを飲み干すかのように一気に流し込む...。
毎日、そのマグにはカバーが掛けられている。
そんな私の様子を見越した、夫の優しさ。
でも私は気づいていなかった。
そこに在る相手の想いに「心」を留めることはなかった。
担当だから。
わたしは私で、あれとあれとこれとそれをやっているし。
「いつもそこにあるコーヒー」を、
「今日もそこにあって当たり前のコーヒー」を、
ただ、飲み干す。まるでそれもまたリストの項目をひとつ消す作業かのように。
3分でいい、いや、1分でいいよ私。
作りかけのお弁当も、干したくて仕方のない洗濯物の山も、そろそろ気になるオムツの様子も横に置いて、一度手を止めよう。
まだコーヒーの湯気が出ているうちに、一回座って、
向かい合って、一口飲もう。
そして何より、当たり前のこと、
「ありがとう」を、声に出して伝えよう。
その一瞬だって、自分次第で、立派な「儀式」になるはず、できる、はず。
Intention
Mindfulness
日常でも、ヨガの練習でも、きっとそれが何であろうと、
大切なことは共通しているはず。
Intention - 意図
「私はなぜそれをするのか?」
例えば、
私はなぜ忙しない夕方、息子の夕飯を何とか「手作り」で間に合わせようと必死になるのか?
「子供のため」「栄養バランスを考えて」「良かれと思って」は、
「自分の達成感のため」「いつもそうしているから」「その方がいいと言われたから何となく(そうしないといけない気がする)」に、
すり替わってはいないだろうか?
では今キッチンに立つ私の足元で、抱っこしてとしがみつきなくこの子は?
一番何をして欲しいのだろうか?
火を止めよう。手を止めよう。抱きしめよう。
もう満足した、降りたいよーと言われるまで、ぎゅっとしよう。
お腹は、手作りでなくても満たされる。
その前に、目の前にある想いを満たしたい。
Mindfulness - 注意深さ
「抱っこして」とせがむ子供に、
100%抱っこすることだけで受け止めている時間が、
1日の中で一体どれくらいあるのだろう?
5分?。。それって実は長い。いや1分?
抱っこ!抱っこ!ばかり。。と思うこともあるけれど、
大抵は「〜しながら」の抱っこ。
私はこの子の目を見ているだろうか?
その肌のぬくもり、柔らかさを、しっかり手の中で感じているだろうか?
表面をなぞるのではなく、”こなす”のではなく。
もう二度と訪れない、戻ってはこないこの瞬間を、注意深く握り締められるようでありたい。
Your yoga practice has to be clever than your habit.
- paraphrasing TKV Desikachar
いつも通りの練習メニューを
いつもと同じやり方で、
いつもそうしているからという理由で、
いや理由なんて考えることもなく、
”ただ”練習するのは、練習とは言わない。
それはもう、脳にとっても筋肉にとっても新たな「刺激」ではなく、そこに「学び」は生まれない。
慣れてきたときにこそ、
立ち止まり、自問自答。
敢えて「変化」を招き入れ、
オープンマインドに。
「変化」に対する心身の一斉の抵抗に受けて立つ。
その中にある「気づき」こそが、「習慣」よりも「癖」よりも、賢いもの。だという。
毎回テーマ・内容は違っても、私のクラスやワークショップで共通して根底に置いている2つのキー。
Intention
Mindfulness
「そもそも何のため?」
目的を明らかに、ビジョンをクリアに。
ひとつひとつの自分の行為に「心」を置く。
手を合わせるかのように、丁寧に。
それはまるで儀式。